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「シルバーアクセサリー買い付け代行サービス」を依頼するメリットとデメリット
はじめに シルバーアクセサリー市場はトレンドの変化が早く、世界各地の工房や職人が供給元となるため、安定的な仕入れルートび構築がビジネスの成否を大きく左右します。 とはいえ、海外での仕入れは言語・文化・品質管理・物流など、多くの障壁がつきものです。 そこで注目されるのが「シルバーアクセサリー買い付け代行サービス」です。 本記事では、ブランド経営者やバイヤー目線で、買い付けサービスを利用するメリットとデメリットを整理し、導入判断の材料として活用できる内容にまとめました。 シルバーアクセサリー買い付け代行とは? 海外にいる代行業者が、依頼者の代わりに現地で商品を選び、交渉し、検品し、日本へ発送してくれるサービスです。弊社におきましても、タイ現地スタッフが買い付けを行っています。 メリット 1、現地ネットワークによる圧倒的な情報量 買い付け代行は、現地工房・マーケット・職人との直接的なつながりを持っています。 ・ローカル市場の新作情報 ・工房の品質レベルや稼働状況 ・カレンシルバーなど民族系の仕入れルート ・現地でしか手に入らない素材・パーツの情報 現地に行かないと知り得ないリアルな情報は、ブランドの差別化に直結します。 2、仕入れ時間とコスト削減 海外へ買い付けにいくには、航空券・宿泊費・交通費・通訳費など、多くの経費が必要です。 買い付け代行を利用すれば、これらのコストを大幅に削減できます。 自分の分身が現地で働いてくれるような感覚で、短時間で効率の良い仕入れが可能になります。 3、品質チェック・真贋判定の精度が高い シルバーアクセサリーは、見た目が同じでも純度・加工精度・磨きの質が異なることがあり、品質管理が難しい商材です。 代行業者は以下のようなチェックを行います。 ・シルバー925/950/カレンシルバーの純度判定 ・ロットによる色味や輝きのばらつき確認 ・留め具・チェーンの強度チェック ・石留めの緩みや欠けの検査 ・不良品のその場返品交渉 高品質を保持したいブランドにとって大きなメリットをとなります。 4、現地相場が仕入れができる(ぼったくり防止) 海外での仕入れは、外人価格を提示されることが珍しくありません。 代行業者は現地相場に精通しているため、 ・不当な価格を回避できる ・卸値の交渉が有利 ・ロット割引を獲得しやすい ・複数工房を比較して適正価格を判断できる 結果として、仕入れ単価の最適化につながります。 5、検品~発送までワンストップ 買い付けだけではなく ・商品の検品 ・梱包 ・国際配送の手続き ・税関書類の作成 ・日本への発送 まで、すべて任せられます。 ブランド側は、受け取るだけで仕入れが完了するため運営が非常に楽になります。 デメリット 1、代行手数料が発生する 当然ながら、代行サービスには手数料が発生します。 ・仕入れ総額の〇% ・工房ごとの手数料 ・検品費用 ・発送手数料 なそ、業者によって異なるため、契約前に料金体制を明確にしておく必要があります。 2、自分の”目”で商品の質を確かめられない アクセサリーは、質感・重量・輝き・彫りの深さなど、実物を見ないと判断できないポイントが多い商材です。 買い付け代行は写真・動画での確認が中心となっているため、こだわりの強いブランドほど物足りなさを感じる事があります。 3、代行業者の質に依存するリスク 買い付け業者は、優良業者とそうでない業者の差が非常に大きい業界です。 ・品質チェックを省略する ・ロット差を放置する ・不必要な手数料を追加する ・連絡が遅い ・低品質工房を優先して紹介する など、業者選びを誤るとブランド品質に直接影響します。 4、トラブル時の対応が間接的になる 海外仕入れでは、発送遅延・不良品・関税トラブルなどがよく起きます。 代行業者を介してやり取りするため、対応まで時間が長くなる場合があります。 5、自社の仕入れノウハウが蓄積しにくい 代行依存が強くなると ・工房との直接交渉スキル ・現地相場の理解 ・品質判断力 ・自社仕入れルートの構築 などが育ちにくいというデメリットがあります。 将来的に自社仕入れやOEM化を検討している場合は注意が必要です。 まとめ 買い付け代行を利用することは、仕入れの効率化・品質保証・価格交渉などの、多くのメリットを提供します。一方で、業者選定の重要性や、自社ノウハウが蓄積しにくい点などのデメリットも存在します。 【メリット】 ・現地ネットワークによる情報量 ・時間とコストの削減 ・高精度な品質チェック ・現地価格での仕入れ ・ワンストップでの配送対応 【デメリット】 ・代行手数料 ・実物確認が難しい ・業者品質に左右される ・トラブル対応が間接的 ・ノウハウ蓄積が弱くなる 適切な代行業者を選び、自社の仕入れ方針と組み合わせることで、シルバーアクセサリーブランドにとって強力な仕組みとなっています。 以上、一般的な代行業者のメリットとデメリットをまとめました。 弊社は、シルバーアクセサリー(カレンシルバー)の仕入れ及び買い付け、シルバーアクセサリーOEMとシルバーアクセサリーを総体的にプロデュースすることが可能です。 お気軽にお問い合わせください。
2025.11.18 お知らせ
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続編:タイOEMの真価~製造現場・人材・サプライチェーンから紐解く”世界品質”の理由
世界ブランドがタイのOEMを選ぶ理由は、単なる技術力やコストメリットだけでは、終わりません。続編では、生産背景・職人教育・サプライチェーン構造・国際ブランドとの連携体制など、より核心部分を掘り下げます。 1、タイジュエリー産業を支える「三層構造の職人ネットワーク」 タイの強みは、たんに”職人”が多いことではありません。 その裏には、効率的で高度な3層構造の職人コミュニティが存在します。 ▶①ハンドメイド工房(都市部) バンコクを中心に、3D CAD・高度な石留め・精密鋳造を得意とするプロフェッショナルが集結。 国際ブランドのOEMラインを多数担当。 ▶②中規模工房(ローカル製造ライン) シルバーアクセサリー、真鍮アイテム、量産ラインなどを支える”産業の格。 世界が再注目する「サステナブルジュエリー」の源泉。 この多層構造が、ブランドの要望に合わせた柔軟なライン構築を可能にしています。 2、世界基準に対応した”トレーサビリティと管理体制” 世界ブランドが求める条件は明確です。 「どこで、誰が、どの素材を使って作ったのか」 これに答えられる国は意外と多くありません。 しかしタイは、 ✔工房との検品システム ✔材料ロットの管理 ✔認証資格(ISO BSCI SGSなど)の取得 ✔輸出時の書類対応 に強く、海外企業が安心して品質管理を任せられる体制が整っています。 3、素材供給源が豊富:シルバー産業のアドバンテージ タイのOEMがシルバーに強い理由は、職人技だけではありません。 素材そのものが手に入りやすく、品質が安定しているからです。 ・シルバー925の流通が安定 ・純銀(999)を使うカレン族の文化的背景 ・ロジウム、ブラックロジウムなどのメッキ技術が成熟 ・宝石マーケット(バンコク・チャンタブリー)で素材調達が容易 特に、シルバー+天然石の組み合わせはタイの得意分野。 デザインの幅が広がり、ブランドごとの個性も表現しやすくなります。 4、”低いMOQ×高再現性”と言う世界でも珍しい組み合わせ 世界のブランドがタイに注目する最大の理由と言っても過言ではありません。 ■他国との比較イメージ 国 小ロット対応 再現性 コスト 速度 中国 △ ◎ ◎ ◎ インド ◎ △ ◎ △ ベトナム 〇 〇 〇 〇 タイ ◎ ◎ 〇 〇 特にバンコクでは、試作→微調整→量産の切り替えが非常にスムーズ。 ブランドの成長段階に合わせたOEMパートナーとして最適です。 5、海外ブランドとのコミュニケーション力が高い タイのOEM工房は、英語のコミュニケーションが得意な工房も多く、以下のような要求に柔軟に対応します。 ・CADデータの共有 ・PDF仕様書でのやりとり ・英語での品質チェック報告 ・海外向け梱包・検品マニュアルの適応 この”話が通じる”と言う点こそ、海外ブランドがタイを多く選ぶ大きな理由です。 6、サスティナビリティへの意識の高さ タイでは、近年以下の取り組みが加速しています。 ・リサイクルシルバーの利用 ・山岳民族(カレン族など)のフェアトレード製品 ・エシカルな工房運営 ・環境負荷の低いメッキ技術 「ブランドのストーリー性×倫理性」が求められる時代、タイOEMはその潮流と非常に相性が良いのです。 結論:タイOEMは”世界基準の総合力”を持つ稀有なエリア タイが世界ブランドに選ばれる理由は、技術力や価値だけでは語れません。 ・職人層の厚さ ・素材供給の強さ ・小ロット対応 ・国際基準の品質管理 ・コミュニケーション能力 ・サスティナブル文化との親和性 これらすべてが揃う国は、実は世界ではほとんどありません。 タイOEMは、”世界品質を実現しながらブランドの個性を生かせる”理想的なパートナーなのです。
2025.11.18 お知らせ
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なぜ今、タイOEMが世界ブランドからえらばれるのか?
品質×技術×サステナブル×文化 この4つを同時に満たす国は、実は多くありません。 その中で近年急速に存在感を高めているのが、タイ(Thailand)です。 バンコクの宝石加工からチェンマイのシルバー工房まで、「タイOEM」が世界ブランドから高く評価される理由を、最新トレンドとともに解説致します。 1、世界トップクラスの”宝石加工クラスター”が存在する(バンコク) タイ、とりわけバンコクは世界有数の宝石取引・加工の町として知られています。 ■バンコクが強い理由 ・研磨技術がアジア最高レベル ・天然石(ルビーやサファイア)の世界的集積地 ・カラーストーンが豊富で、調達スピードが速い ・ODM提案が得意で、デザイン対応力が高い 世界のジュエリーブランドが「色石ジュエリー」の生産地として真っ先に挙げる国がタイです。 2、シルバー製造の聖地「チェンマイ」×カレン族のクラフト力 チェンマイはアジアでも屈指のシルバー制作拠点です。 その中心にあるのが、カレン族の伝統技術を継承するクラフト工房。」 ■なぜシルバーOEMに強いのか ・手打ち・象嵌・銀線細工などの伝統技法が多彩 ・スモールバッチ(小ロット)に対応できる ・リサイクルシルバー使用工房が増え、サステナブル対応が容易 ・職人の手作業による”味”が海外ブランドに高評価 特に欧米ブランドからは、「機械で作れない表情」が求められています。 カレンシルバーOEMはまさにその需要を満たす存在です。 3、大量生産にも手仕事にも強い「二層構造の産業」 タイの特徴は、大量生産の近代工場とクラフト系の小規模工房が同じ国内に共存していること。 ■そのために何が可能か ・大量生産(1,000~10,000pcs) ・小ロット(~50pcs) ・プロトタイプ開発 ・パーツのみ提供 ・手作業×機械のハイブリット生産 ブランドのステージに合わせて、最適な工房・工場を選べる柔軟性が最大の魅力です。 4、世界ブランド基準の「品質管理・国際規格」に強い タイはジュエリー産業が国家支援を受けており、工場の品質基準も世界レベルに近づいています。 ■多くのOEM工場が取得いているもの ・ISO9001 ・RJC(責任ある宝飾業協議会) ・BSCI ・Fairmined/Fairtrade(工房による) 欧米企業は”エシカル生産”の基準を重視しますが、タイは東南アジアでもっとも対応が早い国のひとつです。 5、サステナブル素材の供給国として急成長 世界のジュエリーブランドのテーマはここ数年「サステナブル」です。 その流れにもっとも早く対応しているのがタイです。 ■提供できるサステナブル素材 ・リサイクルシルバー(Recycled Silver) ・リサイクルゴールド ・ラボグロウンダイアモンド・合成宝石 ・地元産の竹・シェル。天然素材 ・カレン族のローカルクラフト(文化的サステナブル素材) ”素材×文化”をセットで提供できる国は珍しく、タイはその点で圧倒的な強みを持っています。 6、スピード感のある対応力と柔軟性 多くの海外ブランドが驚くのが、タイ工房の対応スピードと柔軟さ。 ■よくある評価 ・サンプル制作が早い(現在、シルバー価格が高騰しており数ヶ月、お時間が必要です) ・設計編網に柔軟 ・短納期でも相談に乗ってくれる ・デザイナーが現地滞在して行動作業が可能 中国は「大量生産・低価格」に強いですが、タイは「デザイン×クオリティー×スピード」のバランス が良い国です。 7、文化背景がブランド価値を高める タイには、文化的ストーリーが付加価値に変えられる強みがあります。 ■特にブランドが活用しているストーリー ・カレン族の伝統工芸 ・チェンマイの職人文化 ・バンコクの宝石研磨の歴史 ・サステナブル素材への転換 ・地域コミュニティとの共創 ただの”製造”ではなく、ブランドの世界観を強化する背景をセットで提供できる点が、世界ブランドから選ばれる最大の理由です。 まとめ:タイOEMは”生産拠点”から”ブランド価値の共創パートナー”へ タイOEMが注目されるのは、単なる「製造国」ではなく、ブランド価値を共に作り上げるパートナーへ進化しているからです。
2025.11.17 お知らせ
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サステナブルジュエリーを支える素材と生産背景|タイから広がる新しいものづくりのカタチ
ジュエリーの世界では、環境負荷の少ない素材や倫理的な生産体制を重視するサステナブルジュエリーが年々注目を集めています。気候変動や資源問題の意識が高まる中ジュエリーブランドもまた「どの素材を使い、どのように作られたか」というストーリーを重視するようになりました。今回は、サステナブルジュエリーを支える素材と生産背景、さらにタイやチェンマイで拡大するエシカルOEMの現場について深堀していこうと思います。 1、サステナブルジュエリーを支える主要素材 ①リサイクルシルバー(Recycled Silver) 近年、最も普及している素材がリサイクルシルバーです。使用済アクセサリー、工業廃材、産業スクラップを再精錬し、純度の高いシルバーとして再利用します。 サステナブルな理由は以下の通りです。 ・新たな鉱山採掘を抑制し環境負荷を軽減 ・CO₂排出量が大幅に低下 ・産地証明がしやすい(トレーサビリティが高い) 特にタイやチェンマイのカレンシルバー工房では、このリサイクル銀の使用が急増。伝統技法とサステナブル素材の融合が進んでいます。 ②エシカルゴールド(Ethical Gold) 金採掘は森林破壊や水銀汚染など、環境負荷が高いことで知られています。その反面、以下のようなエシカルゴールドは世界的な評価を得ています。 ・フェアトレード認証ゴールド ・公正な賃金を保証するコミュニティマインドゴールド ・リサイクルゴールド(PC・機器・既製品から再抽出) 特にラグジュアリーブランドが積極採用していることで、市場の透明性も高まっています。 ③合成ダイヤ&ラボグロウン宝石 採掘ダイアの背景には紛争問題や環境破壊がつきものですが、ラボグロウンダイアモンドや合成サファイアなどは。クリーンで透明性の高い選択肢として急成長しています。 ・環境負荷が低い ・安定品質でトレーサビリティ確保が容易 ・価格が安定し、OEMでも採用しやすい ④天然素材(木・シェル・ガラス・土器) アジアのクラフトジュエリーでは、天然素材もサステナブル視点で再評価されています。タイ北部では、竹や貝殻、シードビーズを使った工房も増え、軽量で環境負荷の低いラインとして人気です。 2、サステナブルば生産背景:何が変わってきているのか ①トレーサビリティと生産者情報の開示 昨今のサステナブルジュエリーでは、「この作品は誰が、どこで、どうやって作ったのか」を開示する動きが強まっています。タイやチェンマイのOEM工房でも、以下の取り組みが浸透しつつあります。 ・職人名、工房の開示 ・素材の仕入れ元(銀の再精錬所など)の開示 ・生産工程の可視化(写真・動画) ②小ロット生産×クラフト技術の価値向上 大量生産ではなく「必要な分だけ作る」=スモールバッチ生産はサステナブルの重要な要素です。チェンマイのカレン族工房では、従来手打ち技法や銀線細工を活か小ロットでのOEM依頼に対応。これにより、在庫廃棄を抑えながら職人の雇用も安定させることでできます。 ③コミュニティ支援型OEM 最近増えているのが、工房とブランドが協力して地域の持続可能性を支えるモデルです。 例えば、 ・サンプル制作を現地で共同作業 ・売上の一部を職人支援基金へ寄付 ・若手職人育成の教育プログラムをサポート ・「生産」ではなく「共創」 これが今のサステナブルOEMの大きな流れです。 3、タイ×サステナブル素材の強み タイとりわけチェンマイには、サステナブルジュエリーを支える強みが揃っています。伝統技法×リサイクル素材の相性が良い。小規模工房が多く、スモールロットOEMに強い職人文化が根付いており、制作工程の透明性を確保しやすい。カレンシルバーという独自素材の存在。特にカレンシルバーは”自然と調和した暮らし”をルーツに持つためサスティナブルの価値観と非常に相性が良い素材と言えます。 4、サスティナブル素材の未来:ブランドに求められる2つの視点 ①「素材の透明性」を積極的に発信すること ユーザーは、見た目より「背景」を重視する時代になりました。ブランド側がきちんと素材情報を発信することで、価値は何倍にも高まります。 ②「地域・文化との共生」を重視すること カレン族工房のように地域文化を協働する生産体制は、単なる”優しい素材”ではなく、文化継承を未来へつなぐサステナブルモデルとして注目されています。 まとめ|素材を選ぶことは未来を選ぶこと サステナブルジュエリーは、単に”環境に優しい素材”で作るだけではありません。素材の選択→生産背景→コミュニティの未来。このプロセスが透明で、倫理的であること。それがサステナブルジュエリーの本質です。タイやチェンマイのクラフト工房は、この考え方に最も近い場所のひとつとして、世界のデザイナーブランドから信頼を集めています。今後はリサイクルシルバー×カレン族の技術×タイOEMという掛け合わせが、新しいスタンダードになるかもしれません。
2025.11.15 お知らせ
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サステナブルジュエリーの新潮流|カレン族の未来とチェンマイ発クラフトの可能性
大量生産やトレンド消費が当たり前の時代に、世界のジュエリー業界では、「サスティナブルジュエリー(持続可能なジュエリー)が注目を集めています。その静かに存在感を高めているのが、タイ北部・チェンマイを中心に活動するカレン族の職人たち。彼らの手仕事によるカレンシルバーは、「自然と調和する美」と「人の手のぬくもり」を体現するジュエリーとして、世界的な評価を得ています。 1、カレン族の価値が生む”サスティナブル”な美 カレン族は、古くから自然と共に生きる民族として知られています。森の中で暮らし、農業と手工芸を営みながら、自然の感謝を生活の中心に捉えてきました。その価値はシルバー工芸にも息づいています。彼らにとってシルバーは「富」ではなく「祈り」や「生命の循環」を象徴するもの。自然からいただいた素材を無駄なく使い、必要な分だけを作るという姿勢こそ、現代のサステナブル精神に通じています。 2、チェンマイ職人工房の取り組み:リサイクル銀とフェアトレード ☆フェアトレードとは? 発展途上国の生産者が作った農産物や製品を、適正な価格で継続的に購入することで、生産者の生活改善と経済的自立を支援する貿易の仕組みです。 チェンマイでは、カレン族の職人工房が新たな試みを始めています。それが、リサイクルシルバーの活用とフェアトレード生産体制です。 ①使用済シルバーや廃材を再精錬して再利用。 ②地元産素材を優先的に使用。 ③工房間の公正取引と職人への適正報酬。 これにより、資源の無駄を減らし、現地のコミュニティ全体が持続的に発展できる仕組みが作られます。カレンシルバーのOEMを行うブランドの中には、製品ごとに「生産者情報」「素材トレーサビリティ」を明記する動きも広がっています。 3、クラフトジュエリー×サステナブルデザインの融合 サステナブルジュエリーの流れは、「クラフト回帰」とも綿密に関係しています。大量生産品ではなく、”人の手で作られる一点ものの価値”が見直されているのです。カレンシルバーは、その象徴的存在です。手打ちで模様を刻み、ロウ付けで一つずつ仕上げる。その工程すべてが、人と自然のリズムに合わせた”スロークラフト”。さらに、欧米や日本のデザイナーとの協業により、ミニマムデザイン×民族技術を組み合わせた新しいスタイルが次々に生まれています。この「伝統×現代感覚×サステナブル素材」の三位一体の構造こそ、今後のジュエリー市場における新しい新潮といえるでしょう。 4、OEMと地域共創の新しいかたち 現在、チェンマイではカレン族の工房と海外ブランドが協業するサステナブルOEMが進んでいます。単なる発注・生産の関係ではなく”地域共創型のものづくり”へと変化しているのです。 たとえば、 ①デザイナーが現地工房に滞在し共同でサンプルを制作 ②売り上げの一部を職人支援・教育プロジェクトに館還元 ③工房が自社ブランドを立ち上げ、海外市場へ展開 など、互いの文化や価値観を尊重した新しいOEMモデルが生まれています。この仕組みは、単なる「エシカル」ではなく、文化を継承しながら経済的にも持続する新しいモデルとして注目しています。 5、カレン族の未来:伝統を次世代へ カレン族の若者の中には、デザイン学校で学び、祖先の技術を現代風にアレンジして発信する新世代も増えています。SNSやオンラインショップを通じて、自らの文化を世界に伝える動きも活発化しています。伝統を守るだけではなく、進化させる。それが、今のチェンマイの若き職人たちの姿です。こうした新し流れは、単なるファッションのトレンドではなく、”生き方としてのサステナブルジュエリー”を象徴しています。 まとめ:祈りと未来をつなぐカレンシルバー カレンシルバーは、単なる装飾品ではありません。それは、自然・文化・祈り・技術の結晶です。そして今、世界のサステナブルジュエリーの潮流の中で、その価値はますます輝きを増しています。量産ではなく、心で作る。消費ではなく、共生を選ぶ。カレン族がチェンマイの地で作り続けるカレンシルバーには、そんな未来へのメッセージが込められています。
2025.11.14 お知らせ
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